Esperanza

スペイン語で「希望」。 果報は寝て待て。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

開発援助についてまたまた考える(汚職編)

今朝もNHKのBS海外ドキュメンタリーを見て、考え込んでしまった。
アフリカの汚職の現実。シエラレオネ出身のジャーナリストの体験レポートでした。

***

私が勤めている会社の海外部門は、日本政府が行う途上国への開発援助の技術的な部分を請け負っています。私自身、そういう途上国への貢献をしたくてうちの会社で働きたかったので。

私はチリで先進国へ輸出するために森林破壊が行われている現実を見て、森林に絡む貢献をしたかった。それで結果的に環境部門で採用され、廃棄物関係とか生物調査とか、いろいろな仕事をしている。

で、環境の仕事だと、ある程度インフラとか整って、ある程度産業が発展しないと問題が起きないし、政府にその問題解決をする余裕が生まれないので、基本的に仕事(援助)対象は、中進国と呼ばれる東南アジア、中南米、今注目のBRICS諸国と産油国、になります。

実際私が行った仕事(すべて環境案件)は、イラン、キューバ、インドネシア。関わった仕事はインド。幸い、留学中や旅行などを含めても、賄賂を要求されて困ったことは今までほとんどない。あったとしても小額で、1,2回、それも後で気づいたりとかその程度。だからあまり賄賂関係で直接困ったり怒ったり戦ったりしたことはない。

アフリカに行くとすれば、他の部が実施するインフラ整備に関わる、社会環境影響評価の仕事だけなのです。それだけだと、その国の深刻な状況に直面するリスクは低い、と思う。

私がアフリカについて聞いたのは、農業にいる同期からでした。今となっては唯一の女性同期(最初は4人いたんだけどね・・・)なので、何かと情報交換をしている同期。

彼女がマラウィに行っている時、私はインドネシアにいたものの、スカイプでチャットをしてました。その時聞いた愚痴が、公然と賄賂(のような現金)を要求する政府の役人に、"That's Africa!"と言われて、怒る気にもなれず、あきらめるのも悔しく、何とも言えない気持ちになったということ。

その後、うちの某ライバル会社が、ベトナムの政府高官に巨額の賄賂を送っていたということで日本で立件され、逮捕された。テレビのニュースにさんざん取り上げられて、知っている人も多いと思う。

確かに、アフリカは汚職の文化に上から下まで染まっていて、そう簡単に改善されることはないんだと思う。だけど、汚職の現実を前にどのように振舞うかが、とても大切なんではないだろうか。

***

日本の援助は、技術援助と円借款がある。
技術援助は、青年海外協力隊をはじめとして、JICAが行っている長期・短期専門家派遣、うちらのようなコンサルが行う開発調査など、技術を持つ日本人が直接現地に行って、現地の役人と一緒に調査等を行うもの。
円借款は、基本的には相手国の政府(インフラ整備)を相手に、長期低金利の融資を行うもの。円借款は国際協力銀行が行っている。

円借款は、以前は相手国の要請に対して審査を行い、相手国に実施してもらう形を取っていたが、いろいろトラブル(※)が多発したこともあり、最近ではローン計画からソフトコンサルティング(組織運営など)までやっている。環境ではあまりないので詳しくないが、工事に関わる国際競争入札の準備・実施や工程監理は以前から日本の会社が行っていたと思う。

※:ダム建設の際、工事領域に住む住民を移転させることを政府と約束(ちゃんと紙ベースで契約に盛り込んである)したにも関わらず、約束どおりの移転や補償が行われなかった件や、ローン対象のプロジェクトがほとんど進まずに終わってしまっていた(そのお金は役人の懐に?それとも使われていない施設建設??)こと等。

私が知る範囲では、日本のような日本人がたくさん現地へ赴く技術援助は、他の先進国ではあまり行われていない。費用が高額になるので、そのお金を現地で直接使ってもらった方が効果的だ、という意見もあり、実際欧米ではそのようなことになっているのではないかと思う。

でも、今日のような汚職の構造があれば、お金を直接政府に渡すのは横領の危険性が高く、物を直接渡せば横流しの危険が高い。

日本人は、おせっかいな性格?で正義感が強いので、技術援助のために現地へ出向いた時に、汚職に対する説教を必ずするような気がする。いくら現地の人が「それはこの国の文化ではない」と言い張ったとしても。最終的に賄賂を支払わないと動かない人々だったとしても、説教は必ず1度はすると思う。

この前エジプトのプロジェクトに行っていた人が、「ノルウェーはポスターを作ってくれて、イギリスはチラシを作ってくれたけど、日本は何をくれるの?」と言われてあっけにとられたという話をしてくれた。それを聞いて、「他の国は何をやってるんだ」と思ったけれども、これが明らかな援助によるモラルハザードで、アフリカはそれよりもひどい状況なんだと思う。

このエジプトの役人は日本のすることに明らかに落胆したかもしれないけれど、恐らくこのセリフを聞いた日本人コンサルは、「私たちは物をあげるためにここに来たんじゃない。この街の空気をきれいにするために、市民がその原因について考え、何かしらの行動をとるための意欲を引き出す手伝いをしたいだけなんだ。君たち役人はそれが仕事なんじゃないのか?私たちが帰国したらそれで終わりじゃいけないんだ!」とかなんとか、きっと言ったんじゃないかと思う。

***

アフリカについてのドキュメンタリーを見て、日本が技術援助に力を入れてきてよかったな、と思った。
確かに、稲の栽培技術の移転とか、現地に合わない文化を強要した部分もあるけれど、できるだけ現地の人々と一緒に、何かを作り上げたい、という気持ちがある。私は、その日本人の気概やプライドを信じている。

確かに、悪しき習慣はそう簡単になくなるものではなく、援助対象の役所にやる気のある人がいるとは限らない。政治力の隙間に落ち込んでしまって、どうにもならないことも多い。それでも、通訳だったり、ドライバーだったり、少しでも私たちの活動を理解してくれる人がいれば(確かに費用対効果はめちゃくちゃ低いかもしれないし、その費用は税金なんだけれども)、いいのかな、と思っている。

「踊る大捜査線」に出てくる室井さんみたいな人が、アフリカに少しでも生まれることを祈っている。一人じゃ何もできないかもしれないけど、数人いれば、がんばれるかもしれない。
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

プロフィール

ゆこゆこ

Author:ゆこゆこ
ハードな仕事を経てメンヘル不調に。2回の長期休職の後に退職。派遣社員を2年半した後、契約社員として本格的に仕事を再開しました。

好きなものは大自然、旅行、パン作り、Perfume。

大学での専門は植物生態学ですが、園芸植物のことはよくわかりません。

開発コンサルタントという妙な仕事をしていたおかげで世界の辺鄙な場所へ行ったことが多いです。

これまでの訪問者数

最近の記事

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。