Esperanza

スペイン語で「希望」。 果報は寝て待て。

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《ブラジル雑感》日本の援助機関の意義について

ブラジルは一人当たりGDPが1万ドルを超えた、いわゆる「新興国」です。
私がチリに留学してた1993年に比べたら、一体どのくらい上がったのだろう。
国内の仕事をして、多忙で体調を崩したあたりに、「BRICS諸国」という言い方が一般化し、いつの間にか「新興国」と呼ばれるようになり、投資を大きく集めるようになっていた。

当時よりチリは「南米の優等生」と言われ、選挙による共産化→親米派による軍のクーデター→軍の独裁→選挙による独裁制終了、民主的な大統領制へ移行と同時に経済状況が安定化した国です。
日本の投資環境の話を聞くと、「ドイツ移民が多かったせいか契約に関する法律が整備されており、まともな契約書を交わすことができる」ということで、信頼性が高かったようです。

チリ自体の産業としては、銅・銀資源があり、工業化もほどほど進行。私の印象ではお菓子の生産がそれなりに多かったように思っています。また、農業産品の輸出もかなり多いとのこと。
IMFによる経済改革が成功したと言われる唯一?の例とも言われており、シカゴ学派の「マクロ経済健全化」政策が独裁政権中に実施され、経済的には安定、その後ハイパーインフレ等とは縁のない社会となっています。

私がチリに行く少し前にペルー、アルゼンチン、ブラジルでハイパーインフレが起き、デノミと通貨名変更が行われていました。アルゼンチンではドルとの固定レートが採用され、インフレが収まったところでしたが、物価の高騰が激しく、チリからみると不思議な状況でした。
ブラジルもレアル(通貨単位)導入で、やっと為替が落ち着いてきたところだった気がする。

その頃(1993年、1996年、2000年)のブラジルの印象は、「治安は悪いらしいが、石油、鉄鉱石、工業化(車の部品、文房具等)で豊かな国」でした。文房具は身近な存在だったこともあり、どれを見てもブラジル製だった記憶があります。(日本製はその3倍以上の値段で売られており、それでも買う人はいた模様)
あと、日本から見たら、オレンジジュースの濃縮果汁のほとんどはブラジル製だった記憶があります。

今調べてみたら、チリのひとり当たりGDPは14000ドル。ブラジルより高い(貧富の差と人口が少ないため、まあ当然とも思える)。
南米はいろいろな意味で独立していたことが幸いしたのか、アジアよりずっと自立しているように思います。

***

で、私は今JICAの技術協力プロジェクトとしてブラジルにいるわけですが(無償)、
何のためにいるのか、というのはよく考えてしまうところであります。

ブラジルは地震もなく、台風もほとんどない地域。「災害」という概念があまりなく、たまに来ると非常に大きな損失を出してしまうため、災害大国日本の経験と技術を活かそう、というのは、まあ理にかなっている話ではあると思いますが・・・

それでもなんとなく、金を貸しに来た人(今回のプロジェクトはローン計画を立てるものなので、次の段階があるとしたら、円借款ということになります)なわけで、どうふるまっていいかよくわからないというか、そういうところがあります。

まあでも、今回のカウンターパートであるサンタカタリーナ州は、災害対策には非常に乗り気で、借金であろうとも2008年の災害対策をしっかりやりたいという意欲が高く、前向きです。
東南アジアと比べると、なんというか、「たかる」感じが少なくて好感が持てます。

ブラジルはエタノール入りガソリンが世界で最も早く導入されたり、バイオエタノール製造で注目を浴びたり、最近特に環境面で知名度が上がりつつある国なのですが、実際のところ、公共事業に対する環境保全に対しては非常に厳しい目が向けられています。
また、南米は住民運動が激しいお国柄?もあり、「参加型」が政治的にも大きく影響を持っている国でもあると思います。ボトムアップの力が強い感じですね。

今回の洪水対策についても、押さえるべきところは、政府高官ではなく、流域委員会のボスとその取り巻きの大学教員だったりします。
うちの団長は非常に空気を読むのがうまく、調整することも得意な人なので、このブラジル風をしっかりつかみ、「トップダウンで行かないのは時間がかかって大変だなぁ~。まぁ、ここはこうなんだから仕方ねえけどな~」なんて言いながら、色々なところへ出かけていって話をしています。
(えらいです)

そんなブラジルに日本がしようとしている2国間援助のメニュー(私の想像)は下記の通り。

・気候変動対策プログラム・ローン
・災害対策(洪水・地滑り)プロジェクト・ローン(確率低し)
・災害対策技術協力プロジェクト
終わり!

プログラム・ローンというのは、今の流行りのローンで、比較的縛りの少ないローンなので、返還さえすれば用途は比較的自由になるローンです。
うちの会社でやるようなプロジェクト・ローンとは金額がケタ違いのローン。
縛りが少ないため、日本人コンサルタントの出番は基本的になく、ちょこっとモニタリングをするだけです。

確かにこの国は、お金はそれなりにあると思うし、公務員の待遇がいいので辞めたりしないし、データ収集とかの能力は高いと思うんだけど、経済階級が高い人ほど自分で現場に行くということをしなくなる傾向があるそうで。

現場を見ないでGISデータばかり見ていると、いつか痛い目にあうと思うんだけれどねぇ・・・
これって日本的みたいです。アジアでも南米でも、技術が先に入ってきてしまうせいか、その技術を疑わない傾向があるかもしれない。見かけがきれいなのもあるだろうけど。

なので、技プロの意義は意外と大きいかもしれないです。
うちの会社の利益を考えると、ローン付帯技プロ、という路線が一番いいような。
(うちの会社の利益を考えないといけないのがまたつらい。もちろん、自分が長期間ここの事業に関わりたいという気持ちが強いのもあるけど)

アジアみたいに技術を身につけたら、もっと給料のいい会社にさくっと転職してしまい、結局必要な公共事業を担う役所に人材が残らない、という状況を考えると、よっぽど価値があるよなぁ。
今のところあまり感じてないけど、彼らのプライドが許すならば、それでいいような。
(基本的にここの人は白人なので・・・ヨーロッパよりはずっとプライドは高くないと思いますが)

それより、大統領の方針かもしれない。
すでに2期務めているルーラ大統領の任期がもうすぐ切れるので、10月3日に大統領選が行われます。
同時に州知事選もあるので、その結果で私たちへの期待がどのような方向に行くのかが決まります。
「もう要らない!」って言われる可能性もある。

ちなみにチリは、ずいぶん前から「うちは援助は要らない」と言っているそうで、チリのプロジェクトはほとんどありません。残念だけど、自立できてるってことですよね。

***

ブラジルは貧富の差が非常に激しい国なんだけれども、今いるサンタカタリーナ州は南部で所得の高い人が多い州だったりします。特にドイツ移民が多くて、ドイツ風のケーキ屋が多いです。
なので、平均のGDPも高いし、本当に困っている人を救うことからは比較的離れてしまっているというのが、残念ながら気になること。

この案件は20年前からJICAが手をつけている案件だから、仕方ないですが、微妙な気分になります。
この金額でもっとできることがあるんじゃないか、とか。
もちろん、被災する人がいるのは確かなんで、誰かしら救うことはできると思うんですけどね。

お金じゃなくて、日本のこれまでの苦労とその成果を伝えることによって、被害を減らそうと思えばまあいいのかな。。。
援助もある程度以上自己満足の世界だし。。。
うーむ。。。
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ゆこゆこ

Author:ゆこゆこ
ハードな仕事を経てメンヘル不調に。2回の長期休職の後に退職。派遣社員を2年半した後、契約社員として本格的に仕事を再開しました。

好きなものは大自然、旅行、パン作り、Perfume。

大学での専門は植物生態学ですが、園芸植物のことはよくわかりません。

開発コンサルタントという妙な仕事をしていたおかげで世界の辺鄙な場所へ行ったことが多いです。

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