Esperanza

スペイン語で「希望」。 果報は寝て待て。

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特用林産物を活用した地域活性WS

北大時代の友人が、去年亡くなった夏目先生を偲んで、北大檜山演習林(正式名称:檜山研究林)で集まろうという話を企画してくれた。演習林は北大のものなので、ただ飲みに行くわけにもいかず、タイトルのようなワークショップという形をとった。ちゃんと内容もあったのよ。

***

簡単に言うとそういうことなんだけれども、今日はちゃんと説明をしたい。

夏目先生は、私が北大に在籍していた2000年~2002年の間、檜山演習林の林長をされていた助手の先生です。
助手とはいえ、私の指導教官(教授)の2年先輩。もともとは私の指導教官と同じ造林学教室にいたこともあって、うちの先生が親しげな口調で話していたのを覚えています。

北大では、教授陣も学生の「研究パートナー」ということで、さん付けで呼ぶことになっていたので、これからさん付けにします。

夏目さんの研究テーマは、「里山と人間の関わり」。元の専門とは大きく違い、北大林学でも異色のテーマでした。それを、漁港と近く、道内でも里山文化?社会?がある道南の檜山演習林で研究をしていました。

里山と人間の関わり、と言っても、里山の産業を通じた関わりを何かしらの形にすることを考えていらしたように感じます。それとは別に、里山で荒れ放題になっている山をどうにかして管理できないか、特用林産物を活用して管理費用を捻出できないかを模索していました。

ワークショップのタイトルにもある「特用林産物」とは:

皆さんが毎日生活している中で、「特用林産物」という言葉を耳にすることは、ほとんど(全く?)ないかと思います。
 「特用」だから、何か特殊な、めずらしいものを言うのかな?と思う人もいるかもしれません。
 でも「特用林産物」は、皆さんの身の回りにたくさん存在しています。
 代表的なものは、「きのこ」です。しいたけ、えのきたけ、まいたけ、ぶなしめじ、エリンギ、・・・。これら「きのこ」達は、すべて特用林産物です。
 「特用林産振興基本方針」(国の通達)において「主として森林原野において産出されてきた産物で、通常林産物と称するもの(加工炭を含む)のうち、一般用材を除く品目の総称」と定義されています。
 その範囲は、きのこ類をはじめ、くり、くるみ等の樹実類、うるし、はぜの実から搾取される木ろう等の樹脂類、わらび、わさび等の山菜類、おうれん、きはだ等の薬用植物及び桐、たけのこ、竹、木炭、薪等多岐にわたり、その範囲は極めて幅広いものとなっています。林野庁では便宜上次のように分類して取り扱っています。

〔きのこ類〕
しいたけ、えのきたけ、ひらたけ、ぶなしめじ、まつたけ、きくらげ、まいたけ、エリンギなど
〔特用樹類〕
桐材、こうぞ・みつまた、けやき、山桜(葉、樹皮)、しきみ、さかき、花木等
〔山菜類〕
たけのこ、わらび、ぜんまい、わさび、あけび、くず、さんしょうなどの山菜、山野草 など 
〔薬用植物類〕
がじゅつ、いちょう(葉)、きはだ(樹皮)、おうれん、その他薬用植物
〔樹実類〕
くり、くるみ、ぎんなん、やまもも、とちの実、山ぶどうなど
〔樹脂類〕
うるし、はぜの実(木ろう)、つばき油、松脂、ひのき精油など
〔竹類〕
竹材(もうそうちく、まだけ、めだけ、くろちく、ほていちく など)、竹皮 
〔木炭等〕
薪、木炭、竹炭、木質成型燃料(オガライト、オガ炭など)、加工炭、木酢液、竹酢液など

 なお、北海道では、上記「特用林産物」のうち、きのこ類や山菜類、木炭の生産が盛んで、特に、きのこ類の生産量は全国第4位、木炭の生産量は全国第2位のシェアを占めています。


http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/rrm/tokuyourinsanbutu.htm(林野庁HPより)

ちなみに、一般用材というのは、「木材」もしくは「材木」のことです。特用林産物というのは、ある意味林業の「副産物」です。

現在日本では、安価な輸入材の影響で、国内のスギなどの価値がとても低く、間伐などの管理費用が出せない状況にあります。植林した山の材木を伐り出すと、その作業費用が木材販売価格を超えてしまい、赤字になってしまうのです。伐採だけでも赤字になる可能性があるので、間伐には費用がかけられません。

間伐をしない人工林は、一本一本が細くなり、成長が遅くなります。また、曲がってしまうものも出てきます(昇り龍、なんて呼んだりしてました)。それでは、伐採した時の木材の質が落ちてしまいます。
それだけでなく、木の生長が悪いと、根の張りも悪くなり、大雨が降った際に山崩れなどが起こる危険性が増すと言われています。いわゆる「森林の多面的機能」が低くなるのです。

森林の多面的機能:林野庁のHP
http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_2.html

そこで、林業の副産物である特用林産物を現金化することで、林業の第一義である「木材生産」のための管理費用を少しでも捻出しようということが、人工林の多い地方でよく行われています。
(海外の途上国でも森林保全のために、現金収入や女性地位向上のために、特用林産物を積極的に活用するプロジェクトなどが多く行われています。)

ここで「活用」というのは、おそらく、現金化可能な特用林産物を「開発」することでもあると思っています。
いろいろなものを生産できるにはできるものの、実際にかかる初期費用や手間、販売市場(←最重要)を考えて、適したものを見つけ、その土地に適した栽培・生産方法を探っていくことが必要なのです。

夏目さんは、檜山演習林で、
 ・スギ林床におけるミョウガ栽培
 ・人工林林床における椎茸原木栽培
 ・木炭生産
 ・ワサビの栽培(北海道でワサビ栽培はマイナー)
を手掛けていました。
椎茸は比較的メジャーではあるんですが、ミョウガとワサビは試験栽培でした。

***

私は2002年の学生実習で、これらの試験地をひと通り見せてもらっていたのですが、夏目さんが現場を離れた2006年頃から、これらの試験地、炭焼き窯、炭焼き小屋は放置されていたそうです。
今年たまたま現場を見に行った友人(函館在住)が、この状況を見て、「これをこのまま放置するのはあまりにもったいないし、夏目さんの遺志を継いでいきたい」ということで、集まれる人で集まって、少しずつでも作業できたらいいな、と思ったそうで。

そんな呼びかけがfacebook上で行われたわけです。
友人は、全国各地に林業系の友人がいて、夏目さんを直接知らない方からも、参加表明などがあったそうです。
私が行った時は、最初なので、夏目さんをよく知っている人で集まって、今後本当にどうしていきたいか、どこまでできそうかを話し合うことが目的でした。

***

難しい話はここまでにして、現場の写真をば。

檜山演習林、スギ植林地です。
檜山の林

ミョウガ栽培試験地、みんなでスギの落ち葉をかきわけ作業をしたところ。
ミョウガ試験地

ワサビ栽培試験地。渓流の流れを変えて、ワサビ田があったんですが・・・ワサビは元気でした。
ニホンザリガニも発見されました。
ワサビ試験地

炭焼き窯。屋根は健在ですが、土窯なので、完全に崩れ去っていました。崩れた写真はないので、後ろから。
炭焼き窯

窯の向かいにある、炭焼き小屋。中に薪ストーブがあって、畳と土間の部屋があります。一昼夜火の番が必要なので。
これも健在そうに見えますが、中はだいぶカビの臭いがして、もうすぐ屋根が落ちそうとのこと。今年の冬、持ってくれればいいんですが。
炭焼き小屋

炭焼き小屋の前でたき火。うれしそうな技官さん♪ササの先にししゃもやらソーセージやらつけて焼いてます。
たき火

野生のエノキです。
野生えのき

椎茸原木栽培試験地。ここはスギではないですね。結構傾斜が急です。
椎茸

コクワ。一般和名はサルナシ。マタタビの仲間で、キウイフルーツの原種です。味は同じ。これは完熟なので甘くておいしかった~。
コクワ

炭焼き窯の横にいたコケ(同定放棄)。コケはやっぱり美しいです。
コケ

***

帰り道、函館→羽田便が取れず、新千歳まで電車で移動しました。
初めてのスーパー北斗。スーパーだけど札幌まで3時間半。。。遠い!
スーパー北斗

函館の次の停車駅は、東室蘭。あまりに次の停車駅が遠いせいか、次の駅までのkm表示が・・・
東室蘭まで

車内販売のかぼちゃアイス。ミッシュハウスという、いろいろな味を出しているアイスやさん。
かぼちゃアイス

函館駅で買った駅弁。いくら弁当。おいしかった。
いくら弁当

新千歳からの飛行機を予約した後にわかったことですが、檜山からだと函館空港の次は青森空港が近いのです。青森までスーパー白鳥に乗れば安くて速かった、はず。まあでも今回は今回で、楽しく電車に乗りました。スーパー北斗乗ったことなかったし。

***

こんな、函館の旅と、演習林の体験を思い出すイベントでした。
こうやってイベントを企画してくれた友人に感謝。

友人には、函館空港まで迎えに来てもらい、檜山まで車に乗せてもらいました。道中色々と話をしましたが、私はすっかり遠ざかってしまった林学の世界にまた少し戻ったような、本当に懐かしい思いでした。時間が経っても話し出すと学生時代を思い出しますね。友人と長く話せたことで、私自身、昔の自信を思い出したりして、だいぶ元気になれた気がします。

参加した皆さんとたき火を囲んだり、コクワを食べたりしましたが、皆さんはほとんどが檜山在住。子供たちも自然の中で育っている感じで、私の今いる世界とだいぶ遠いなぁ、と思ってしまいました。とはいえ、北大時代には私もその中にいたわけで、めちゃめちゃ楽しかった北大時代を思い出して、幸せな気分になりました。

檜山演習林での夏目さんの思い出。
林道で、トラックの助手席でハコ乗りを勧められたこと!(ほかの人は荷台に立ってました)
自炊の実習だったのですが、夏目さんが漁師さんから大量のムラサキウニをもらってきてくれたこと。
(みんなで必死にむいて、ウニ丼しましたよ)
漁師さんの手伝い(押しかけボランティア)をしたお礼にもらった、大量のイカ。30パイケースが12箱あった気がする。ひたすらイカソーメンを作ったような。。。(とても食べきれず)

夏目さんに会えて、よかった。
こんな経験は、大事にしないといけないな。

きっと友人はまた企画してくれると思うので、また行きたいな、と思います。作業するの、楽しいし。
次も楽しみに。
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ゆこゆこ

Author:ゆこゆこ
ハードな仕事を経てメンヘル不調に。2回の長期休職の後に退職。派遣社員を2年半した後、契約社員として本格的に仕事を再開しました。

好きなものは大自然、旅行、パン作り、Perfume。

大学での専門は植物生態学ですが、園芸植物のことはよくわかりません。

開発コンサルタントという妙な仕事をしていたおかげで世界の辺鄙な場所へ行ったことが多いです。

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