Esperanza

スペイン語で「希望」。 果報は寝て待て。

アルジェリアの事件、色々思うこと(前編)

先日起きたアルジェリアにおける石油プラント襲撃事件。

いわゆる僻地における事件であり、開発コンサルをしていた私にとって、他人事にはまったく思えず、とても心痛く経過を見ていました。

自分がイランにいた時、イスラエルのミサイルが飛んできたかもしれない。
ブラジルにいた時、なんらかの民族紛争に巻き込まれたかもしれない。
キューバにいた時、アメリカの核ミサイルが落ちてきたかもしれない(古)。

世界の端(隅)で仕事をしている以上、必ず向かわなくてはいけないその土地の事情、その国の政治事情があります。

テレビの報道、特にNHK NEWS WEB 24のツイートを見ていたときに、そのツイートのあまりの現実との乖離にびっくりしました。例えば、

・なぜ日本人が狙われたのか
・安全対策が不十分だったのではないか
・日本政府の対応が悪かったから悲劇につながったのではないか
等。

日本ではやはり「安全ボケ」していると言わざるを得ませんが・・・世界の端では色々なことが起きている、ということを少しでも発信したいと感じて、これを書くことにしました。
かなり勉強不足ですし、アフリカの事情に通じているわけではないので、なんとなくの部分が多いですが、その点はご容赦ください。少しでも現地の事情をイメージするための、材料になればと思います。

***

今回の事件の外国人犠牲者は、アルジェリア政府の発表によると8カ国、37人。
そのうち日本人が最多の10名を占めるが、フィリピン人7名、アメリカ人・イギリス人各3名も亡くなっている(判明した範囲内で)。

<僻地の石油プラントの特質>

今回襲撃されたのはサハラ砂漠の北部、リビア国境付近の僻地に建設された石油プラント。
Google Mapを見るとわかるが、周囲は一面赤い砂漠で、プラント以外には何もない。

私が就職活動で日揮の同業他社、千代田化工建設に行ったときに聞いた話、会社の同期の旦那さんが日揮社員で、そこから伝え聞いた話では、僻地の石油プラントでは、プラントの職員は皆その近くに寮のようなものを整備して、そこに共同生活をしているとのこと。プラントが家、店、生活に必要なものを全て揃えているとのこと。何ヶ月かに1回、最寄りの街に出て買い出しと息抜きをするとのこと。

石油が出る場所は必ずしも街に近いわけではないので、そのようなことになるということ。
ある意味閉鎖空間なので、人間が生活するには厳しい環境だとも言っていた。

今回のプラントはイギリスの石油メジャー、BPのプラントで、非常に多国籍の合計100人以上の人が働いていたとのこと。日揮はプラント建設会社なので、おそらくここは日揮が建設、その後の運転、メインテナンスのために社員が常駐していたと考えられる。

<プラントのある地域の特質>

今回襲撃されたプラントがある場所は、今治安が悪化しているリビアに隣接していること、アルジェリア、リビア、ニジェール、マリの4カ国にまたがる地域に生活する遊牧民、トゥアレグ族の居住地ということもあり、ある意味何が起きてもおかしくない地域だとも言えると思う。

この4カ国の国境には、おそらくフェンスとかはなく、それ以前に道もない。
イスラム武装勢力なんかは、おそらく道なき道を進み、リビアから武器を入手してアルジェリアのプラントを襲い、そのままマリ北部の反政府勢力の下へ人質を連行することができる。
トゥアレグ族は今のところ利害に絡んでいるかどうかわからないものの、イスラム武装勢力に加担している可能性はある。土地のことをよく知っているので、手引きも可能だと思うので。(現金で買われている可能性は高い)

普通に考えて、アルジェリアの警察や軍の支配が及ぶ場所ではなく(いわば無法地帯)、このような場所にプラントを建設した以上、プラントの安全対策が甘かったとは考えにくい。どこへ行く場合でも、世界の端に行く場合には情報収集を含めて念には念を入れた対策を講じていると思う。特に石油プラントというのはドル箱の施設であり、金銭的には余裕があるので、小さな軍隊規模の部隊くらいはいたんではないかと思う。
(素人でもそう考えている)

<テロへの対応>

テロリズムとは(Wikipediaより):

テロリズム(英語: terrorism)とは、恐怖心を引き起こすことにより特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力の行使、およびそれを容認する主義のことである。テロリズムに則った行為・手段、およびそれらによって敵対者を威嚇することをテロル(ドイツ語: Terror)と呼ぶ。日本では一般にテロリズムとテロルの双方を指してテロと略す。またテロリズムを標榜しテロルを行う者をテロリストと呼ぶ。



一般的に、テロを放置すると国は恐怖に包まれ、国内の統制が不安定になる。
周到なテロ集団が武力により政府を転覆させると、クーデターとなるが、全国を統一できないといくつかの勢力が国内を分けることになり、お互いが争うと内戦状態に突入する。

タリバン勢力下のアフガニスタンは、テロリストが政治の実権を握った例として挙げられる。

アメリカの9.11がテロルとしてのもっともわかりやすい例だと思うが、数名のテロリストがハイジャックを行い、貿易センタービルに衝突することにより多数のアメリカ人を殺害し、同時に恐怖心を引き起こしてテロリストの反米意思を表したということととらえられる。

そのようなテロリズムを防止するためにとられるのが、
「テロリズムを許さないという空気を作ること」
なんだけれども、これが難しい。。。

アメリカが取った行動は、「テロリストせん滅」。テロリストのいるところへ出向いて軍事行為によってテロリストを殺すこと。(政治的目的を達するために組織的暴力を行使し、それを容認しているという意味では、これこそテロリズムとも取れるけど・・・)

今回アルジェリア政府が取った行動は、やっぱり「テロリストせん滅」。
特に人質を取られていたので、それをその後の取引の道具にされて、今以上に困った事態に陥るのを防ごうとした、と考えられる。海賊に誘拐された人質が乗っている船を、海賊もろとも沈めてしまったような状態。(これによって身代金をしはらったり交換条件を出す必要がなくなった)

テロリスト側もテロリスト対策をする組織(多くの場合、先進国の軍隊)が少しでもやりにくくするために、色々考えている。例えば、

・ジャングルや山岳部など、外から来る人には難しい地理条件を利用する(東南アジア、コロンビアなどのゲリラ戦)
・貧困にあえいでいる地元民族に現金を渡して利用する
 (テロリストは麻薬取引、武器取引、誘拐などで現金を持っている)
・自爆テロなど、命を顧みない攻撃ができる(そのような教育を行っている)
・誘拐して人質を得て、うまく利用する
等々。

そもそもなぜテロリストが現れるかといったら、それも色々理由があって、例えば

・貧困
・民族対立
・政府と政治への不満
・対先進国・旧宗主国への不満(搾取された)
・以上の不満を利用したイスラム原理主義の台頭
等々。

最近は聞かないものの、以前はコロンビアなんかで、子供を誘拐してきて麻薬漬けにして、少年兵として利用、そして使い捨て、なんて話もあった。今はどうなんだろう。

(続く)

イスラム原理主義がよくテロリスト呼ばわりされていますが、キリスト教原理主義というものもあります。デンマーク?で起きた同時多発テロはキリスト教原理主義グループによるものでした。政治不安定な地域がたまたまイスラム圏に多いがゆえ、イスラム教は危険だ、というイメージが広がり、とても悲しいです。

宗教は大切な文化であり、尊重すべきものだけれども、極端なものはナチズムと同様、排他的要素をもち、共存が難しい要素が多いように感じます。
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ゆこゆこ

Author:ゆこゆこ
ハードな仕事を経てメンヘル不調に。2回の長期休職の後に退職。派遣社員を2年半した後、契約社員として本格的に仕事を再開しました。

好きなものは大自然、旅行、パン作り、Perfume。

大学での専門は植物生態学ですが、園芸植物のことはよくわかりません。

開発コンサルタントという妙な仕事をしていたおかげで世界の辺鄙な場所へ行ったことが多いです。

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